【弁護士解説】突然裁判を起こされた!本人訴訟における「答弁書」の書き方と絶対に守るべき期限

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弁護士町田北斗

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2018年 弁護士登録(東京弁護士会)

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alt="【弁護士解説】突然裁判を起こされた!本人訴訟における「答弁書」の書き方と絶対に守るべき期限。訴状を受け取り期限に動揺する人と、答弁書の作成方法を案内する弁護士を描いた解説記事のアイキャッチ画像。" 本人訴訟
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はじめに:裁判所から封筒が届いても、まずは落ち着いてください

ある日突然、裁判所から「特別送達」という物々しい郵便で訴状が届く。

これほど心臓に悪いことはありません。

「弁護士に頼むお金がない」「自分でやるしかない(本人訴訟)」と決意された方もいるでしょう。しかし、法律の専門家ではないあなたが、分厚い訴状に対して完璧な反論をすぐに書くことは不可能です。

この記事では、**「まずは負け(欠席判決)を防ぎ、時間を確保するための答弁書の書き方」**を弁護士が実務的な視点で解説します。

訴状が到達した日から約一か月後に第一回口頭弁論期日が指定されますが、この期日は、更に一カ月先に事実上延期させることが可能です。実際に多くの弁護士がそうしています。
ただし、答弁書の提出は必須です。

被告が初回に出す文書:「答弁書」
二回目以降に提出する文書:「第1準備書面」「第2準備書面」・・・


1. 答弁書(とうべんしょ)とは? なぜ出さないといけないのか

答弁書とは、被告(あなた)の最初の反論書面です。

提出しないと敗訴判決がでる(最悪のシナリオ)

もし、あなたが第1回期日までに答弁書を提出せず、かつ裁判所にも行かなかった場合、「相手の言い分をすべて認めた」とみなされます(擬制自白)。

その結果、相手の請求通りの判決(欠席判決)が出てしまい、いきなり敗訴が確定してしまいます。
民事訴訟は、自己責任を原則としているため、反論の機会があったのに反論しないということは、原告の言い分を認めるという趣旨と受け止められます。

ですから、**「中身は後回しでもいいから、とにかく答弁書を提出する」**ことが何よりも重要です。


2. 【最重要】まずは「擬制陳述」で時間を稼ぐ

本人訴訟で最もやりがちなミスは、**「最初から完璧に反論しようとして、期限に間に合わなくなる」**ことです。

実は、第1回の裁判期日には、被告は出席しなくても、答弁書さえ出しておけば「出席してその書類を読んだ」扱いにしてもらえます(これを擬制陳述といいます)。

魔法の言葉:「請求の趣旨」と「請求の原因」への対応

最初の答弁書で詳しく書く必要はありません。以下の定型文を使ってください。

  1. 請求の趣旨に対する答弁「原告の請求を棄却する、訴訟費用は原告の負担とする」との判決を求める。
  2. 請求の原因に対する認否「請求の原因事実はすべて争う。詳しい認否や反論は、追って準備書面にて主張する」

実務上、第1回期日の前に詳細な反論が間に合わないことは弁護士でもよくあります。まずはこのように記載して提出し、第2回期日までにじっくり反論を練る(あるいは弁護士を探す)時間を確保するのが賢い戦略です。


3. 準備書面の作成:具体的に反論する場合の「認否(にんぴ)」のルール

書き方には厳格なルールがあります。それは**「認否(にんぴ)」**です。

原告が書いてきた事実一つ一つに対し、以下の3つのどれかで答えます。

用語意味効果
認める「その事実は正しいです」証拠がなくても事実として確定します(自白)。
否認する「その事実は間違いです」原告が証拠で証明しなければなりません。
不知(ふち)「その事実は知りません」否認と同じ扱いになります。

本人訴訟での注意点

  • 「認める」ときは慎重に!
    一度「認める」と書いた事実は、後から「やっぱり間違っていました」と言っても裁判所は認めてくれません。少しでも記憶が曖昧なら「不知」、違うと思うなら「否認」としてください。
  • 感情的な文章は書かない
    「相手はひどい人間だ」「許せない」といった感情論は、裁判官には響きません。あくまで「事実が合っているか、間違っているか」だけを淡々と記載してください。
    下記記事の【※最重要※】書面作成のポイントをご参照ください。

4. 答弁書のフォーマット(記載必須事項)

裁判所から送られてきた雛形を使うのが一番簡単ですが、自分で作る場合は以下の項目が必須です。

  • 事件番号・事件名(訴状に書いてあります。例:令和〇年(ワ)第〇〇号)
  • 原告・被告の氏名
  • 作成年月日
  • 提出先の裁判所(例:東京地方裁判所 民事第〇部 御中)
  • あなたの住所・氏名・電話番号・FAX番号
  • ハンコ(認印で構いません)

5. 本人訴訟で限界を感じたら

ここまで「自分で書く方法」をお伝えしましたが、以下のようなケースでは、無理に本人訴訟を続けず、早めに弁護士に相談することを強くお勧めします。
被告の本人訴訟は、ご自身単独で正しく判断することが難しい場合が多いです。

  1. 争う金額が大きい場合(負けた時のリスクが大きすぎる)
  2. 事実関係が複雑な場合(法的な整理が難しい)
  3. 相手方に弁護士がついている場合(プロ対アマチュアでは、どうしても法廷での「会話」が成立しにくく不利になります)
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